海外FXでトレードをするには、証券会社選びから口座開設、さらに取引プラットフォームのダウンロードなど色々な作業が必要になります。慣れている方は、それほど苦にならないかと思います。
ただ、初めて海外FXに取り組む方にとっては、訳が分からないことばかりではないでしょうか…
そこでこの記事では、海外FXを始めるにあたり、証券会社の選び方から口座開設方法、さらに取引プラットフォームの見方など分かりやすく解説します。この記事を見ながら、そのまま証券会社の口座開設もできるので、ぜひ参考にしてください😄
海外FXは証券会社を通してトレードをする
実際に海外FXを始めるには、まず「海外FXの証券会社で口座開設をする」必要があります。国内であれば銀行や知名度がある証券会社がサービスの一つとしてFX口座を開設しているケースもあります。
それに対し、海外FXの証券会社は数百もあるといわれています。あまり知名度がない証券会社を選ぶと、後で出金拒否などのトラブルに巻き込まれる可能性もあるので注意が必要です。
ちなみに、このブログではそのような危険性がある証券会社は紹介しないので、安心してください😄
海外FXの証券会社の口座開設はすごく簡単
海外FXの証券会社のほとんどは、口座開設や維持手数料がかかりません。まず海外FXの証券会社が運営する公式サイトにアクセスします。そこから口座開設の申し込みをします。ここで個人情報を入力します。
次に、運転免許証やパスポートなど本人確認書類のコピーを運営側に提出する本人確認作業もします。本人確認が承認されれば、口座の開設はひとまず完了です。ほとんどのケースはここまで2~3営業日でできると思います。
自分の口座の管理画面にアクセスする為のIDやパスワードもメールで送られてきているはずですから、大切に保管してください。
それから、自分の口座に入金することになります。入金にはクレジットカード、銀行振込、さらに最近では仮想通貨で入金できる証券会社も増えてきているようです。
海外FXの気になる証券会社の選び方は、後ほど詳しく解説します。
海外FXの証券会社に預けた資金の安全性について
初心者の方が特に心配するのは自分の大切な資金がなくなるということでしょう。
国内の証券会社の場合、金融商品取引法及び関連法に基づき、顧客から預かった証拠金を自社のお金とは厳密に区分した上で、信託銀行などの第三者に保管することが義務付けられています。これを「信託保全」といいます。
一方、海外のFX会社には信託保全が義務付けられていないため、分別管理で資金を管理している証券会社も多いです。分別管理とは、顧客の資産と業者の資産を分けて管理することですが、信託保全よりも安全性が低いと言われています。
ただし、海外のFX会社でも金融ライセンスを取得している場合は、政府機関が投資家の資産を保証していることもあります。たとえば、イギリスのFCAやキプロスのCySECなどのライセンスを持つ海外FXの証券会社は、一定の補償制度があります。
海外FX会社の中には、信託保全を行っている証券会社もあります。海外FXの証券会社の中で、信託保全を採用しているのは以下の5社です。
- AXIORY (アキシオリー):完全信託保全を行っており、顧客の資産はドーハ銀行の信託口座に委託されています。
- TitanFX (タイタンFX):完全信託保全を行っており、顧客の資産はニュージーランドのASB銀行の信託口座に委託されています。
- Tradeview (トレードビュー):3.5万ドルまでの信託保全を行っており、顧客の資産はスペインのサンタンデール銀行の共同口座に委託されています。
- IC Markets (アイシーマーケット):100万ドルまでの信託保全を行っており、顧客の資産はオーストラリアのウエストパック銀行の信託口座に委託されています。
- Vantage (バンテージ):総額2000万ドルまでの信託保全を行っており、顧客の資産はオーストラリアのナショナルオーストラリア銀行の信託口座に委託されています。
信託保全を採用している海外FXの証券会社は、業者が破綻しても顧客の資産が守られるという安心感がありますが、信託保全の範囲や条件は業者によって異なるので、詳細は各業者の公式サイトや利用規約を確認してください。
また、信託保全という仕組みがあるとはいえ、自分が口座を持っている海外FXの証券会社が破綻すれば、ポジションが強制決済されたり、出金処理に時間がかかったりと、面倒な状況になります。
そうならない為にも、「できるだけ頑固な財務基盤を持った証券会社を選んで口座開設する」ことをおすすめします。
海外FXで覚えておきたい基本的なキーワード
海外FXでトレードをする上で、覚えておきたいキーワードがいくつかあります。それが「必要証拠金」、「有効証拠金」、「証拠金維持率」の3つです。
この3つのキーワードの意味を以下に載せておくので、初めての方は必ずチェックしてください😁
①必要証拠金(ひつようしょうこきん)
海外FXに入金したお金は「証拠金」として扱われます。この証拠金によってトレードできる金額が変動します。証拠金の中でも、ポジションを取るために最低限必要となる額のことを「必要証拠金」と呼びます。
海外FXでは、トレードをする「最小取引単位」というものが決められています。国内の証券会社は1,000通貨単位、もしくは1万通貨最小取引単位として設定しています。
各社基準とする単位を定めていて、この単位を「1ロット(Lot)と呼びます。海外FXの証券会社では10万通貨を1ロットとするのが主流です。国内の証券会社と比べ、より小さな金額で大きな利益が狙えるメリットがあります。
また、同じ1ロットでも通貨ペアごとに、あるいはレートの変動によって、必要証拠金は異なります。レバレッジが1,000倍の場合、ドル/円またはクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など、外貨と円の通貨ペア)の必要証拠金は、次の計算式で表せます。
為替レート×10万通貨÷25=必要証拠金
たとえば1ドル=140円の場合、1ロット(10万ドル)を取引するための証拠金は、140円×10万÷1,000=14,000。つまり、14,000円で10万ドルのとりひきがかのうになる(0.1ロットであれば1,400円)ということです。
なお、各通貨ペアの必要証拠金がいくらかは、海外FXのサイトで一覧になっていることもあるので、まずは公式サイトを確かめてみると良いでしょう。
②有効証拠金(ゆうこうしょうこきん)
トレードを開始してポジションを持つと、為替レートの変動によって含み損または含み益が発生します。この損益を反映した証拠金のことを「有効証拠金」と呼びます。
たとえば100万円を入金しトレードを行い、持っているポジションで2万円の含み損が出ている場合、有効証拠金は98万円となります。つまり有効証拠金は、「実際にトレードできる金額」を指します。
このお金の範囲内で他の注文を出すことができます。
③証拠金維持率(しょうこきんいじりつ)
必要証拠金に対する有効証拠金の割合のことを「証拠金維持率」といいます。たとえば、口座に100万円をトレードを始めたとします。1ドル=140円の時に、10万通貨を買いました。
その後、1ドル=140円が1ド=138円に下がると、10万×(140円ー138円)=20万円の含み損が発生します。
この時点で、トレードに使える「有効証拠金」は、最初に入金した100万円から、含み損の20万円を引いた80万円に減っています。この場合の証拠金維持率は、80万円÷100万円=80%というのは、なかなか深刻な状況ということになります💦
というのも、「証拠金維持率が一定の数値を下回ってしまうと”強制ロスカット(強制決済)”が発動されてしまう」からです。強制ロスカットの基準は基準は証券会社によって異なります。
このまま証拠金維持率が下がり強制ロスカットされてしまうと、複数のポジションを持っていて、今後利益を狙える可能性があったとしても、基準を下回れば持っているポジションをすべて強制的にロスカットされてしまいます。
レバレッジをかけ過ぎたトレードでは、少しの値動きで損失が大きく膨らむため、強制ロスカットが執行されやすくなります。強制ロスカットが発動されると、資金が大きく失われます。
そうならない為にも、海外FXでトレードするには「”資金管理”が非常に重要」ということになります。
④正しい海外FXの証券会社選び
いざ海外FXのトレードを始めようと思っても、海外FXの証券会社は数えきれないほどあり、どこを選んでよいか迷う方も多いはずです。一時期よりはだいぶ少なくなりましたが、国内で50社以上、海外では200社以上ともいわれています。
「初心者で、昼間は仕事をしている個人投資家が海外FXをするなら」という想定で、海外FXの証券会社を選ぶポイントを、いくつか以下に挙げてみようと思います😄
①財務の健全性
たとえ信託保全によって資産が守られている証券会社だったとしても、実際に運営側で資金のトラブルなどで倒産する可能性がないという訳ではありません。面倒な手続きが必要だったり、出金がスムーズにできないといったリスクがあります。
そうなる「できる限り倒産するリスクの低い、健全な運営をしている証券会社を選ぶ」ことが大切になります。証券会社ごとの財務状況はWEBでしっかり確認するべきでしょう。
財務面で特にチェックしたいのは「資本金」です。資本金とは、会社が出資を受けたお金で基本的には返す必要がないお金です。資本金の額がある程度大きい方が財務基盤は強いと判断できます。
また「自己資金規制比率」にも注目すると良いでしょう。国内の証券会社の場合ですが「自己資金規制比率は120%以上」に保つことが法律で義務付けられています。120%ぎりぎりの証券会社はできれば避ける方が良いかもしれません😅
②顧客数の多さ
ユーザー数(開設した口座数)の多さは海外FXの証券会社を選ぶ際の分かりやすい基準です。ユーザー数が多く人気があるということは、入出金のシステム、トレードをする際のツールなどが充実しており使い勝手が良いという証拠にもなります。
また、ユーザー数が多い証券会社は売上・利益を得ている可能性が高く、財務の健全性の証拠にもなります。ちなみに私が調べた限り、日本国内で最もユーザー数が多いのはXM Trading (XM)で、 口座開設数は500万人以上です。
③スプレッドが小さいこと
海外FXではトレーダーが唯一支払う取引コストはスプレッドです。海外FXのスプレッドとは、トレードで発生する手数料のことで、売値と買値の差額で表されます。海外FXのスプレッドは、業者や口座タイプ、通貨ペアや時間帯によって異なります。
また、スプレッドは取引量によっても変わります。たとえば、スプレッドが1.0Pipsの場合、取引量が10万通貨(1Lot)だと1,000円、1万通貨(0.1Lot)だと100円、1,000通貨(0.01Lot)だと10円となります。
スプレッドが狭いほど、取引コストが低くなります。当然ながら、スプレッドは小さければ小さいほど利益をあげるには有利になります。スプレッドも海外FXで証券会社を選ぶ際の大切なポイントになります。
④スマートフォンでトレードできる
日中、仕事をしている方は会社の上司や同僚などの目もあるでしょうから、パソコンをの画面を開いてトレードするのはなかなか難しいと思います。特に工場勤務の方などは、作業をしながらトレードはまず無理と考えるべきでしょう。
そうなると、自然と会社の通勤時間、休憩時間などにチャートをチェックしたり、管理画面にアクセスできる事は必須になります。その為に、スマートフォンで簡単にアクセスできる証券会社というのは外せない条件といえるでしょう。
海外FXの証券会社のほとんどはスマートフォンに対応している為、この条件は余程はクリアできると思います😁
⑤MT4が利用できる証券会社
海外FXの証券会社では一般的ですが、取引ツールである「MT(MetaTrader)4」が使えるかも大切な要素です。
「MT4」は、ロシアが開発したトレードを行うための無料ソフトです。高機能なチャート分析ができ、また「EepertAdvisors(EA)」という自動売買プログラムを利用したシステムトレード(自動売買取引)機能が備わっています。
海外FXの証券会社では「MT4」は主流ですが、国内の証券会社で採用しているところはまだまだ少ないようです。
MT4は取引ツールとして非常に使い勝手が良く、過去の相場をかなりの期間から遡って閲覧できること、スマートフォンのアプリも用意されていることなど、優れたポイントがいくつもあります👍