FRBの利上げ、日銀の金融緩和…FXファンダメンタルズ分析の考え方を有名ニュースで学ぶ【実例付き】

FX 基礎知識

この記事では、FX初心者の方でも理解できるように、ファンダメンタルズ分析の基本から、実際のニュースを例にした実践的な考え方までを解説します。なぜ経済のニュースが為替レートを大きく動かすのか、そしてその情報をどうトレードに活かせばいいのか、具体的な事例を交えながら分かりやすくお伝えします。

この記事を読めば、これまでのニュースの見方が変わり、より深い視点で相場を分析できるようになるでしょう。


【この記事で分かること】

  • FXにおけるファンダメンタルズ分析の基本と重要性
  • テクニカル分析との違いとそれぞれの役割
  • FXで注目すべき経済指標や金融政策のポイント
  • FRBの利上げや日銀の金融緩和など、実際のニュースが為替にどう影響するかの具体例

そもそもFXファンダメンタルズ分析とは?初心者向けに超シンプル解説

FXのファンダメンタルズ分析とは、国の経済状況や金融政策、政治情勢など、様々な要因から将来の為替レートの変動を予測する手法です。これはまるで、企業の財務諸表や事業内容を見て、その株価がこれから上がるか下がるかを判断する株式投資の考え方と似ています。経済の「基礎的な要因(ファンダメンタルズ)」が、その国の通貨の価値を決めると考えるわけです。


なぜFXにファンダメンタルズ分析が重要なのか?

ファンダメンタルズ分析がFXトレードにおいて重要である理由は、為替レートの変動の根本的な原因を理解できるからです。例えば、ある国の経済が好調であれば、その国の通貨の魅力は高まり、海外からの投資資金が集まりやすくなります。その結果、その通貨は買われやすくなり、価値が上昇(円安ならドル高など)します。逆に経済が停滞すれば、その通貨は売られやすくなり価値が下落します。

経済の健康状態を示す経済指標や、中央銀行の金融政策、国際間の貿易収支といった情報は、為替レートの長期的な方向性を決定づける大きな要因となります。これらの情報を無視して短期的な値動きだけでトレードを続けていると、大きなトレンドの波に乗り遅れたり、予期せぬ大きな変動に巻き込まれてしまうリスクが高まります。

例えば、アメリカの金融政策を司るFRBの政策金利決定会合で、市場の予想を超えるタカ派的な発言が出た場合、それがドル円相場に与える影響は計り知れません。このような重要な局面で、なぜ為替が大きく動いたのか、その背景を理解するためには、ファンダメンタルズ分析の知識が不可欠なのです。

ファンダメンタルズ分析は、単に目の前のチャートを見て売買するだけでなく、将来の相場を見通す羅針盤のような役割を果たします。投資家として、常に世界経済の動向にアンテナを張り、その情報をトレード戦略に落とし込むことが、安定した利益を築く上で非常に重要になってきます。

参照元:財務省:為替相場の決定要因


テクニカル分析との違いを分かりやすく解説

FXの相場分析には、大きく分けて「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」の二つがあります。これらはどちらか一方だけを使うものではなく、車の両輪のように組み合わせて使うことで、より精度の高いトレード戦略を立てることができます。

両者の違いを理解するために、まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。

ファンダメンタルズ分析テクニカル分析
分析対象経済情勢、金融政策、政治、要人発言など価格、出来高、移動平均線、RSIなどのチャートデータ
分析の視点なぜ相場が動くのか、その「原因」を探る相場の値動きそのものから、将来のパターンを予測する
得意なこと長期的なトレンドや大きな相場の転換点を予測する短期的なエントリーやエグジットのタイミングを見つける
主な利用者長期的なポジションを持つスイングトレーダー、中・長期トレーダースキャルピング、デイトレードを行う短期トレーダー
例えるなら天気予報。来週の天気(相場の方向性)を予測する今の空。目の前の雲の動き(直近の値動き)を見て傘を持つか決める

テクニカル分析は、過去の価格データや出来高をもとに、チャート上に形成される特定のパターンや指標を分析することで、将来の価格動向を予測します。相場は人々の心理の集合体であり、その心理は過去の動きに反映されるという考え方に基づいています。具体的には、ローソク足のパターン、移動平均線、RSI(相対力指数)といったテクニカル指標を駆使して、売買のタイミングを探ります。

一方、ファンダメンタルズ分析は、相場の「本質的な価値」を探るものです。例えば、ある国の金融政策が引き締め方向に向かうことが予想されれば、その国の通貨の価値は長期的に上昇する可能性が高いと判断します。この長期的な見通しを立てた上で、テクニカル分析を使って、より有利なエントリーポイントを探す、という使い方が一般的です。

例えば、ファンダメンタルズ分析で「ドル円はこれから上昇トレンドに入るだろう」という見通しを立て、テクニカル分析で「移動平均線がゴールデンクロスしたタイミングで買いエントリーする」といった具合です。

このように、ファンダメンタルズ分析で大きな流れを読み、テクニカル分析で具体的なアクションプランを立てることで、勝率の高いトレードを実現することができます。

参照元:日本銀行:外国為替市場の基礎知識


FXで見るべきファンダメンタルズの5つのポイント

ファンダメンタルズ分析と一口に言っても、見るべき経済指標やニュースは多岐にわたります。ここでは、特にFXトレードに大きな影響を与える、マクロ経済の重要な5つのポイントに絞って解説します。これらのポイントを理解するだけでも、相場の大きな流れを掴む力が格段に向上します。


1. 政策金利と金融政策

政策金利は、その国の通貨の魅力を直接的に左右する最も重要な要素の一つです。中央銀行(日本では日銀、アメリカではFRB)が政策金利を上げると、その国の預金金利や債券利回りも上昇し、より高い金利を求めて海外から資金が流入しやすくなります。その結果、通貨の需要が高まり、価値が上がります(金利が高い通貨が買われる)。

これを一般に「金融引き締め(タカ派)」と呼びます。逆に、政策金利を下げると、その通貨は魅力が薄れて売られやすくなり、価値が下がります(金利が低い通貨が売られる)。これを「金融緩和(ハト派)」と呼びます。


2. 経済指標

各国が定期的に発表する経済指標は、その国の経済状況を示す重要なデータです。特に注目すべきは、雇用統計(特に非農業部門雇用者数)、消費者物価指数(CPI)、GDP(国内総生産)などです。 雇用統計は、その国の経済活動の活発さを示し、景気の先行指標としても注目されます。失業率が低下し、雇用が増加しているということは、企業活動が活発で、景気が良い証拠とみなされます。

**消費者物価指数(CPI)**は、物価の変動を示す指標で、インフレ(物価上昇)の動向を測る上で非常に重要です。インフレ率が高すぎる場合、中央銀行は景気の過熱を抑えるために金利を引き上げることが多く、為替に影響を与えます。 GDPは、一定期間内に国内で生み出された付加価値の合計で、経済全体の規模や成長率を示します。


3. 貿易収支

貿易収支は、ある国が他の国とどれだけモノやサービスをやり取りしたかを示します。輸出額が輸入額を上回る「貿易黒字」の場合、その国の通貨への需要が高まり、通貨の価値が上がることが多いです。これは、輸出で外貨を稼ぎ、それを自国通貨に交換する動きが活発になるためです。

逆に、輸入額が輸出額を上回る「貿易赤字」の場合は、自国通貨が売られて外貨が買われるため、通貨の価値は下落しやすくなります。


4. 要人発言

中央銀行の総裁(例えばFRBのパウエル議長や日銀の植田総裁など)、財務大臣、さらには大統領といった要人の発言は、市場参加者の心理に直接影響を与え、為替相場を大きく動かすことがあります。特に、金融政策や経済見通しに関する発言は、将来の金利動向や経済政策のヒントとなるため、市場は非常に敏感に反応します。


5. 地政学リスク

戦争や紛争、政治的な不安定要因、テロ、大規模な自然災害といった地政学リスクも、為替相場に大きな影響を与えます。これらのリスクが発生すると、投資家は安全資産とされる通貨(特に米ドルや日本円、スイスフランなど)に資金を移す傾向があり、リスクオフの円買いやドル買いが進むことがあります。

参照元:日本経済新聞:経済指標カレンダー

経済指標や要人発言が為替を動かす仕組み

経済指標や要人発言が為替相場を動かす仕組みは、主に**「市場の期待」「サプライズ」**という二つの要素に集約されます。市場参加者は、常に将来の動向を予測しながらトレードを行っており、その予測と実際に発表された内容との間にギャップが生じた時に、為替は大きく動きます。

例えば、アメリカの雇用統計の発表を例に見てみましょう。 市場の専門家たちは事前に、**「今月の非農業部門雇用者数は前月比で20万人増加するだろう」**と予想しているとします。この「20万人」という数字は、既に為替相場に織り込まれている状態です。


ケース1:予想通りだった場合

実際に発表された数字が**「前月比20万人増加」**だった場合、市場は特に大きな驚きを感じません。既に織り込み済みであるため、為替レートは小幅な動きに留まることがほとんどです。


ケース2:予想を上回った場合(サプライズ)

発表された数字が**「前月比30万人増加」だったとします。これは市場の予想を大きく上回るサプライズです。市場参加者は「アメリカ経済は予想以上に好調だ!景気の過熱を防ぐために、FRBは早期に利上げを行うかもしれない」**と解釈します。この「利上げ期待」が高まることで、より高い金利を求めて米ドルが買われ、ドル高(ドル円なら円安)が急激に進むことになります。


ケース3:予想を下回った場合(サプライズ)

発表された数字が**「前月比5万人増加」だったとします。これは市場の予想を大きく下回るサプライズです。市場参加者は「アメリカ経済は予想よりも弱い。FRBは利上げを慎重に進めるか、もしくは利下げに転じるかもしれない」**と解釈します。この「利上げ期待の後退」によって、米ドルの魅力が薄れ、ドルが売られ、ドル安(ドル円なら円高)が急激に進むことになります。


このように、経済指標の発表は「結果そのもの」だけでなく、**「市場の事前予想とのギャップ」**が重要になります。このギャップが大きければ大きいほど、相場の変動幅も大きくなる傾向があります。

要人発言も同様で、市場が「ハト派的」と予想していた人物が「タカ派的」な発言をすれば、大きなサプライズとなり為替が大きく動きます。この「市場の期待」を読み解くことが、ファンダメンタルズ分析の肝であり、プロの投資家が最も注力する点なのです。

参照元:ロイター:ニュース速報


有名ニュースから学ぶ!プロが実践するファンダメンタルズ分析の考え方

ここからは、実際の有名ニュースを例に挙げながら、プロがどのようにファンダメンタルズ分析を行っているのか、その考え方を具体的に見ていきましょう。理論だけでなく、実例を通して学ぶことで、より実践的な知識が身につきます。


【以下で分かること】

  • FRBの利上げがドル円相場に与えた影響の具体的な事例
  • 日銀の金融緩和がなぜ円安につながるのか、そのメカニズム
  • 雇用統計やCPIといった経済指標発表時の相場の動き
  • ファンダメンタルズ情報をトレードに活かすための具体的なコツ

【アメリカ】FRBの利上げはドル円にどう影響した?

近年、FX市場で最も注目を集めたファンダメンタルズ要因の一つが、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)による急激な利上げです。2022年から2023年にかけて、FRBはインフレを抑制するために、わずか1年半で政策金利をほぼゼロから5%超まで引き上げました。この動きは、米ドルをかつてないほど魅力的な通貨にし、ドル円相場に歴史的な影響を与えました。

FRBが利上げを決定すると、その国の通貨の価値は上昇します。これは、より高い金利を求めて世界中の投資家がその国の通貨(この場合は米ドル)を積極的に購入するからです。特に日本は長期間にわたる金融緩和を続けていたため、日米の金利差は拡大の一途をたどりました。この**「金利差の拡大」**こそが、FRBの利上げがドル円相場を大きく動かした最大の要因です。

具体的な動きを見てみましょう。 2022年初頭、ドル円は1ドル=115円前後で推移していました。しかし、FRBが利上げを開始すると、市場は日米の金利差拡大を意識し始め、ドル買い・円売りの動きが加速。2022年10月には、ドル円は150円台にまで急騰しました。これは、FRBの利上げが続けば続くほど、日米の金利差が開き、ドル円はさらに上昇するという思惑が市場に浸透した結果です。

この事例から学べることは、金融政策の方向性が長期的なトレンドを形成するということです。FRBが「インフレを退治するまで利上げを続ける」という姿勢を明確に示したことで、市場参加者は安心してドルを買い続けることができました。

一方で、利上げサイクルが終了し、利下げが視野に入ってくると、市場のムードは一変し、今度はドル売りの圧力が強まります。このように、金融政策の方向性を正しく読み解くことが、中長期的なトレード戦略を立てる上で非常に重要であることが分かります。

参照元:FRB(連邦準備制度理事会)公式サイト


【日本】日銀の金融緩和はなぜ円安につながる?

FRBが利上げでドル高を誘導する一方で、日本銀行(日銀)は長らく大規模な金融緩和策を続けてきました。この日銀の金融緩和が、なぜ円安につながるのか、そのメカニズムを理解することは、ドル円を取引する上で欠かせません。

日銀の金融緩和策の主な目的は、デフレからの脱却と経済の活性化です。そのために、日銀は政策金利をほぼゼロ、あるいはマイナスに維持し、市場に大量のお金を供給し続けています。


金融緩和と金利の関係

日銀が金融緩和を続けると、日本の金利は低い水準に維持されます。これにより、日本円を保有していても利息がほとんどつかない状態となります。


投資家の行動

世界中の投資家は、少しでも高いリターンを求めて資金を動かします。もし、日本の金利が0%で、アメリカの金利が5%であれば、投資家は日本円を売って米ドルを買い、アメリカの銀行に預けたり、米国の債券を購入したりするでしょう。


この**「より高い金利を求めて資金が流出する」**という動きが、円安の大きな要因です。円が売られ、ドルが買われるため、ドル円の為替レートは上昇します。 例えば、2023年に日銀が金融緩和策を維持する方針を改めて示した際には、市場は日米の金融政策の方向性の違いを再確認し、円売りが加速しました。その結果、ドル円は再び150円台を突破する動きを見せました。

この事例から分かるのは、自国の金融政策の方向性が、他国の金融政策と比べてどうなっているかという**「相対的な関係」**が非常に重要だということです。FRBが利上げをしても、もし日銀も同じように利上げをしていれば、金利差は広がらず、ドル円はここまで大きく動かなかったかもしれません。

日銀の金融緩和という「ハト派的」なスタンスと、FRBの利上げという「タカ派的」なスタンスの乖離が、歴史的な円安トレンドを形成したのです。

参照元:日本銀行(日銀)公式サイト


【実例】雇用統計や消費者物価指数(CPI)で為替が動く理由

ここでは、FX市場で最も注目される経済指標の一つである雇用統計と**消費者物価指数(CPI)**を例に、実際に相場がどのように動くのかを具体的に見ていきましょう。


1. 雇用統計のインパクト

アメリカの雇用統計は、毎月第1金曜日に発表されます。特に「非農業部門雇用者数」は、アメリカ経済の景気動向を示す最も重要な指標とされており、その発表直後はドル円相場が大きく乱高下することがよくあります。

実例:2023年10月の雇用統計 市場予想:17万人の雇用増 結果:33.6万人の雇用増

このケースでは、予想を大幅に上回る雇用者数増加が発表されました。これは市場にとって大きなサプライズです。市場は**「アメリカ経済は予想以上に力強い」**と判断し、FRBが将来的に再び利上げを行う可能性を織り込み始めました。

その結果、発表直後から米ドルが急騰し、ドル円は数分間で1円以上も上昇しました。この動きは、結果が市場の予想と大きく乖離したことによる、瞬時の反応です。


2. 消費者物価指数(CPI)のインパクト

消費者物価指数(CPI)は、物価の変動を示す指標で、インフレ率を測る上で重要です。中央銀行が金融政策を決定する上で、CPIの動向は非常に大きなウェイトを占めます。

実例:2022年11月のCPI発表 市場予想:前年同月比7.9%の物価上昇 結果:前年同月比7.7%の物価上昇

このケースでは、CPIが市場の予想を下回りました。これは、インフレが少し落ち着き始めた兆候と解釈され、市場参加者は**「FRBは今後の利上げペースを緩めるかもしれない」**と考えました。その結果、利上げ期待の後退から米ドルが売られ、ドル円は急落しました。


まとめ

これらの事例から分かるように、経済指標の発表は、それが**「金融政策の将来の方向性」**にどう影響するかが鍵となります。

雇用が増加すれば「景気が良い→利上げ期待」、物価上昇率が鈍化すれば「インフレが落ち着く→利上げペース鈍化期待」というように、トレーダーは発表された数字の背後にある「ストーリー」を読み解き、それが将来の金利動向にどうつながるかを予測して行動します。この一連の思考プロセスこそが、ファンダメンタルズ分析の醍醐味なのです。

参照元:米国労働省労働統計局(BLS)公式サイト

FXトレードでファンダメンタルズ情報を活かすコツ

ファンダメンタルズ情報をただ知っているだけでは、トレードで勝つことはできません。重要なのは、その情報をどのようにトレード戦略に落とし込むかです。ここでは、ファンダメンタルズ情報を実戦で活かすための具体的なコツを解説します。


1. 常に「市場のコンセンサス(事前予想)」を意識する

経済指標の発表前に、市場がどのような予想(コンセンサス)を持っているのかを把握することが非常に重要です。この情報は、ロイターやブルームバーグ、経済新聞などのニュースサイトで事前に確認できます。発表された結果がこの予想とどれだけ乖離しているか、その「サプライズ度」が、為替の変動幅を決定づけます。


2. 発表される指標の重要度を理解しておく

すべての経済指標が同等のインパクトを持つわけではありません。例えば、アメリカの雇用統計や消費者物価指数、FRBの政策金利発表などは、為替市場を大きく動かす「ビッグイベント」とされています。これらの重要イベントは、事前にカレンダーにチェックしておき、発表前後にはトレードポジションを調整したり、警戒して相場に臨む必要があります。


3. 長期的なトレンドの方向性を確認する

ファンダメンタルズ分析は、短期的な売買タイミングを探るよりも、中長期的な相場の方向性(トレンド)を把握するのに適しています。例えば、「FRBは利上げを続ける方針だ」というファンダメンタルズ的な見通しがあれば、そのトレンドに逆らわないように、安易なドル売りポジションは避ける、といった戦略が立てられます。


4. ニュースの「背景」を読み解く

ニュース記事のタイトルだけを見て判断するのではなく、なぜその結果になったのか、その背後にある経済の状況を理解することが重要です。例えば、「雇用者数が増加」というニュースでも、その増加が特定の部門に偏っていたり、労働参加率が低下していたりする、といった詳細なデータまで見ることで、より深い洞察を得ることができます。


5. テクニカル分析と組み合わせる

ファンダメンタルズ分析でトレンドの方向性を確認したら、具体的なエントリーやエグジットのタイミングはテクニカル分析に頼ります。例えば、ファンダメンタルズ分析で「ドル円の上昇トレンドが続く」と判断し、テクニカル分析で「移動平均線がサポートとして機能したタイミングで買いエントリー」というように、両者を組み合わせることで、より精度の高いトレードが可能になります。

参照元:ブルームバーグ:経済カレンダー

FXファンダメンタルズ分析の考え方【まとめ】

ファンダメンタルズ分析は、経済の「今」を知り、未来を予測するための強力なツールです。この記事で解説したポイントをまとめると、以下のようになります。

  • ファンダメンタルズ分析は、その国の経済や金融政策など、基礎的な要因から為替レートの将来の変動を予測する手法であり、為替の変動の「なぜ」を理解するために不可欠です。
  • テクニカル分析が短期的なエントリータイミングを探るのに対し、ファンダメンタルズ分析は中長期的なトレンドを把握するのに適しています。両者を組み合わせることで、より安定したトレード戦略が構築できます。
  • 政策金利、経済指標、貿易収支、要人発言、地政学リスクの5つのポイントが、FXにおける主要なファンダメンタルズ要因です。
  • 経済指標や要人発言が為替を動かすのは、「市場の事前予想とのギャップ(サプライズ)」がある時です。このサプライズが大きいほど、相場の変動幅も大きくなります。
  • FRBの利上げは日米の金利差を拡大させ、歴史的な円安トレンドを生み出しました。金融政策の方向性が長期的なトレンドを形成する典型例です。
  • 日銀の金融緩和は、金利が低い状態を維持し、より高い金利を求めて海外へ資金が流出する「金利差」を拡大させることで円安を加速させました。
  • 雇用統計やCPIといった重要経済指標の発表時は、その結果が今後の金融政策にどう影響するかという「ストーリー」を読み解くことが重要です。
  • ファンダメンタルズ情報をトレードに活かすには、常に市場の事前予想を意識し、ニュースの「背景」を深く読み解く姿勢が求められます。
  • 重要な経済指標の発表日は、事前に確認し、ポジション調整やリスク管理を行うことがプロのトレードの基本です。
  • ファンダメンタルズ分析は、投資家として世界経済に興味を持つきっかけにもなります。ニュースを「自分事」として捉え、楽しみながら学ぶことで、スキルは自然と向上していきます。
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